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ドイツ語を習得して良かったな、と思う瞬間

 今日、夫婦でとある町のニシン祭りに出掛けてきました。
5月くらいから欧州ではニシンが獲れ始め、特にオランダもののニシンが市場に出回ります。
なんといいますか、初夏の風物詩とでもいいますか。北ドイツでは特に人気のニシン。
今年も収穫を舌で味わう季節が到来したわけです。

 私たち日本人は魚を生で頂くことに抵抗がありません。しかし外国人、特に海に隣接していない国・地域の人々にとっては魚を生で頂くなんてナンセンスで危険極まりない暴挙とみなされます。生臭いし、第一当たったらどうするの?ってところでしょう。
でも北部ドイツはオランダとも隣接しており、ニシンや鰻を食べる習慣がしっかり根付いていました。
 このニシン祭り。お魚大好き日本人にはとってもお勧めです。他の外国人も少ないので、ドイツ人と直に会話する絶好のチャンス!

 北部ドイツのこの町は工業都市でもあるので、近年は外国人の流入が著しい。
普段ならアラビア系やアフリカン、アジアンが多くみられるメインストリートが、今日は白人で埋め尽くされていました。
白人と書いたのは、もうドイツ人とロシア系などを見分けるのが困難だからです。実際、ドイツ人に尋ねても「あの人はドイツ人?さて、ロシア系と言われればそうだし、チェコ人とか言われても北欧系って言われてそう見えるわねぇ」といった返答がきます。当の白人でも何人だか見極められないのですね。ここら辺がアフリカンやアジアンとは少し趣が異なるところでしょうか。

 ビールを買い、ニシンのサラダとニシンのサンドウィッチを頬張っていると、隣に座ってワインを楽しんでいたドイツ人の女性に話しかけられました。私たちがドイツ語を話せるのが分かると、「自分たち女4人組は皆旦那に先立たれ、今では年金生活を毎日一緒にのんびりと楽しく過ごしているのだ」と説明してくれました。
こういったドイツのお祭りにアラビア系は交わってきません。イスラム教では原則飲酒が禁止されていますし、ドイツ食の中に何が混ざっているのか分からないので、やたらに屋台のお店で買い食いできないのです。
 その点雑食の日本人は何でも食べられるし何でも飲める!
今日、これほど大きな規模のお祭りなのに、日本人は皆無でした。中国系も2組しか見ませんでした。せっかくドイツを満喫できる良い機会なのに勿体ない。
隣のおばちゃまは観光名所も親切に教えてくれましたし、来月には同じ場所でワイン祭りも開催されるとのこと。
ということで、「来月ここで再会しましょう!」と言ってお別れしました。

 こういった会話ができると、「ああ、やっぱりドイツ語ができてよかった!」と思います。今日もドイツ語で流暢に会話を始めるや、周囲のドイツ人たちが一斉に振り返り、「なんだ、あのアジアンはドイツ語が話せるのか」と途端に打ち解けた雰囲気が出来上がります。
これは外国人ばっかりの中に入った者にしか分からない空気の変化です。
 どんなに勉強しても分からない単語ってのはいくらでもあります。そういう時はどんどん売り子さんにでも、周囲に立っているお客さんにでも質問できる。ドイツ人はお節介なほど親切だから、それはそれは懇切丁寧に説明してくれますよ。

 最後はこの町で自家醸造のビールを製造販売しているレストランでご飯を食べて帰宅しました。
もうお腹いっぱい・胸いっぱいで大満足。

  郷に入りては郷に従え

せっかくドイツに暮らしているのですから、世界共通語の英語もいいけれど、この国の言葉を身に着けたいところ。
そうすればもっともっと暮らしが楽しくなりますよ。



by wp636 | 2017-06-16 05:20 | ドイツ語