誰にでも分け隔てなく挨拶する文化

フランクフルトに住んでいた頃、すっかり忘れてしまったドイツの文化とは、出会った人に挨拶すること。

尤も70万人が住んでいる町で、出会う人出会う人に挨拶していたら100mも進めませんけれど。

そんなフランクフルト暮らしが板についた頃、Franken地方を一人旅しました。ドイツにある様々な大学を訪れてみたかったからです。

そしてFrankenにあるWürzburg大、FH-WürzburgBayreuth大、Bamberg大、Erlangen-Nürnberg大、TH-Nürnbergと見て回ったのですが、Bayreuth滞在中、ホテル近くを散策していると「Grüß Gott!」と声を掛けられた気がしました。

こんなところでよそ者のアジアンに声を掛けてくる人もあるまいと思ったものの、何となく周囲を見回してみると一人の男の子が私を見つめていました。

で、その瞬間に思い出したのです。ドイツの田舎に行くと誰彼かまわず挨拶を交わす文化のあることを。

そこで彼に話しかけてみました。

私「私に挨拶してくれたんだよね?」

少年「うん」

私「何をしているの?」

少年「自転車に乗る練習」

ってな具合でちょっと会話してお別れしました。「嗚呼、Frankenっていいな。やっぱりこの牧歌的な感じが好きだな」と妙に納得して一人で笑ってしまいました。一日中心が温かいまま過ごすことができました。

またドイツに初めて留学した時のこと。滞在先はRegensburgでしたが、ここの人も朝早い時間にバス停で待っていると、とにかく挨拶から始まるという感じでした。それが外国人であろうが地元民であろうがお構いなし。そこがよかった。

そして今、北ドイツの町に住んでいますが、先日天気が良かったので会社の裏にある公園で昼食を摂っていた時のこと。

食べるのに夢中になっていたら「Hallo」と声を掛けられました。今、この公園で昼ご飯を食べているのも、ベンチに腰掛けているのも自分一人だけ。当然私に挨拶してきたのは明白でした。

この小学4年生くらいの女の子と挨拶を交わした時に、Bayreuthの、そしてRegensburgの記憶が蘇ってきました。

今も大都市を離れれば、ドイツの古き良き習慣は生きていると実感できました。

こういう素晴らしい習慣がどうか未来永劫続いてほしいと思います。

フランクフルトを離れて、ようやくドイツっぽい生活を送れるようになった、本物のドイツの文化に触れられるようになったと思っています。ベルリンもハンブルクもミュンヒェンもフランクフルトも、そしてデュッセルドルフも、それぞれに味わいがあります。それは認めます。

でも私は、ドイツを語るにはドイツの大都市を離れた方がいろいろなことが見えると思っています。

なぜかというと、大都市圏にはたくさんの外国人が住んでおり、もはや多文化・異文化社会が構築されているからです。

ドイツっぽいものを見たいなら・体感したいなら、人口10万人以下の町に行くのがお勧めです。

物の溢れた日本社会とは対極にある、「無いことを受け入れる暮らし」がそこにあると思います。

私はドイツでようやく手に入れた田舎暮らし、とっても気に入っています。


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by wp636 | 2017-06-27 05:41 | 日常生活 | Comments(0)