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都立高校を受験しようとお考えの方へ

私は国語を家庭教師で教えていますが、「うちの子は読解が苦手で・・・」というご相談をよく耳にします。
お悩みごもっともという感じで、たしかに読解力は一朝一夕で身につくものではなく、地道な読解の継続と効果的な指導が大切です。
ただ、東京都立の高校を受験しようとお考えの方には、読解はもちろんですが、もっと貪欲に点数を稼ぐためにできることがあるはずだと考えます。

是非一度以下のサイトを訪問して、都立高校の実際の入試問題を確認してみてください。
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/2017/pr170224b.html
特に最初の問題に注目です。

・実際の入試問題(昨年度)
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/2017/pr170224b/29k-toi.pdf
・採点基準と各問の配点
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/2017/pr170224b/29k-kaitou.pdf

漢字の配点が読み書き合わせて20点もあります(100点満点)。これは進学重点校の問題であろうと共通問題であろうと同じです。
また漢字は中学校の学習指導要綱に範囲の定めがあるので、進学重点校を受験するからといって一段上の問題(高校生レベルの漢字)が出題されることはありません。

つまり、都立入試の漢字は努力すればすれだけ確実に得点が取れる部分なのです。
こう書くと、「他の道府県の入試問題にだって漢字は出題されるでしょう?」とのご指摘を受けます。そうです、仰るとおりです。
しかしその配点が総得点の20%を占めるのは、日本全国47都道府県の中で東京都だけなのです!

出題者の意図は恐らく次のようなものでしょう。
中学一年生からコツコツ漢字の読み書きをして訓練を積んできた人の努力に報いよう、と。
入試直前になって慌てて漢字の学習をしても、さすがに範囲が広すぎて効果的な学習は難しいですね。学習塾によっては、「漢字の配点は低いので捨ててしまえ」という指導をしているところもあります(東京都以外の道府県で、しかも漢字の配点の低い地域)。
努力対効果が低いと見るや捨ててしまえ!というのは戦術的には有効ですが、やはり日本人として中学レベルの漢字は隈なく書けるようにしておきたいもの。東京都の教育委員会はその点を重視しているのでしょう。

漢字の問題で満点を確保すれば、もはや総得点の20%は確保できたことになります。残りの問題を半分しか取れなかったとしても総得点は60点に達します。ここをベースにして点数を引き上げていく(60点→70点→80点)努力をするのです。

「読解力がないから国語は苦手」と諦めてしまうのではなく、できるところから貪欲に点を取りにいく。これは入試に限らずすべてのテストに共通する鉄則です。否、生き抜くために不可欠な要素とも言えます。
だから、高校入試という絶好の機会を利用して、逞しく強く生き抜く方法を身に着けてほしいと思います。

努力対効果の高い東京都立入試の漢字問題。お子さんに都立高校受験を、とお考えの方は今日から早速漢字学習に取り組んでください。
漢字の学習には読解問題に対するようなセンスは一切必要がありません。
お子さんが暗記学習を嫌がるという場合、親も一緒に書き取りに挑戦してみる方法もあります。
「自分だけがやらされているわけではない」と思うと、机に向かうタイプのお子さんもいますので。

高校入試改革により、都立高校は実にさまざまな選択肢を用意した素晴らしい教育機関になりました。
授業料も安いですし、とっても狙い目です。
もちろん私も個人レッスンという形で都立高校受験生を応援しています!

by wp636 | 2017-09-29 01:13 | 受験