先日、会社で在庫の一斉棚卸しが行われました。
倉庫にある何千という商品を従業員総出で一つ一つ数えていくのです。
普段一日中椅子に座り、パソコンに向かって経理の仕事をしている自分にはきっつい体力仕事でした。もう40代ですし、この手の肉体労働は実にこたえます。

さて倉庫はだだっ広く、また今年入社の私には知らないことばかり。何がどこに保管されているかなど考えもせずに働いていますから。
倉庫担当の方にリストをもらい、該当する商品を探し出してひたすら数えていきます。
ただ、この商品探しに一苦労。目に付くところに商品が並べてあればよいのですが、段ボールに入っていたり、最新の商品で紐解かれていないものなどは、どこにどう保管されているのか素人には分かろうはずもありません。

そうなると倉庫担当の方に質問するのが一番手っ取り早い。なんでも知っている、まさにその言葉にピッタリの歩く倉庫辞典ですから。
商品の形状や色合いなどもすべて頭に入っており、それがどういう経緯でどこに保管されているかも瞬時に答えられる。本当に凄いことだと思います。

しかし。。。昨今のAI(人工知能)を最先端とするコンピュータ・システムは在庫管理にも応用されてきており、従来型の経験がものをいう職場を駆逐しつつあります。その先頭を突っ走るのがジェフ・ベゾス率いるamazonグループでしょう。あれだけの多種多様な商品を大量に取扱い、数日以内に(事によっては当日中に)指定された場所へと配送されるシステムを構築しています。
この会社の財務諸表を見ると、売り上げが右肩上がりですが、それに比例するように絶え間ない設備投資にお金が費やされています。利益を意図的に圧縮しつつ、厳しい競争に優位に立つための施策にお金を使っているのです。
より効率的な在庫管理を実現し、受注-商品のピックアップ-発送手配へと一連の行程を無駄なく円滑に流していくために、amazonは進化を続けています。
こうしたお金の掛かるシステム導入には資金力が必要ですが、やがて定型化、低価格の廉価版が出てくると破壊的イノベーションによってあっという間に中小企業にまで浸透していきます。

そこで大量の単純作業労働者のクビが刎ねられます。件の倉庫担当、今は会社にとって大変重宝な職員です。しかしコンピュータ管理システムが導入されたら真っ先に職を失うでしょう。人件費が相対的に他の倉庫作業員よりも高いからです。
そしてこの方の知識は、今の会社を去ったらもう何らの価値も持ちません。

これからの時代、もはや詰込み型の「歩く六法全書」「ウォーキング・ディクショナリー」は不要です。コンピュータには絶対勝てませんから。
それを念頭に置けば、従来型の「教える指導」がいかに無駄が多いか分かろうというもの。
これからのレッスンに必要なのは、「知識を教えること」ではないと思います。いかにして「気付きを与える」レッスンを行えるかにかかっています。板書を写して覚えるタイプの学習は、21世紀型のやり方ではないと確信しています。
では何が21世紀の人間に求められているのでしょうか?
それは、時には答えの出ない課題に対しても「どうやって取り組むか?」という疑問を常日頃から自分に問いかける人間、いつだって「自分がアクションを起こすと、どういった変化や結果が生じるのか?」といった問題意識を持って考える人間が求められています。

もう学歴の時代などはとっくに終焉を迎えています。教えられた知識をテストで吐き出すだけの「頭でっかち」は生き残れません。
この厳しい時代を生き抜くためには、学習の仕方と人の意識の持ち方も変わらなければならないと思います。

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by wp636 | 2017-08-06 20:21 | 日常生活 | Comments(0)