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石田衣良『眠れぬ真珠』

 ただ今何気なくyahooニュースを眺めていたら、フランスの大統領選で注目を集めるMacron候補の奥様は24歳も年上だという。
これには正直驚きました。だってまるでお母さんじゃないか!と思ったので。

 先日読み終えた石田衣良の『眠れぬ真珠』も、テーマは年上女性と若者との恋愛。主人公の咲世子と素樹との年齢差は17歳。
amazonの評価を見ていたら「汚らわしい」という表現がありビックリしました。
年上の女性と付き合うのは汚らしいことなのでしょうか?私はそんな風には思いませんが。。。

 石田衣良ほどモテる男ならではの人物設定だなと感心してしまいました。女性の年齢が更年期障害に悩む45歳ということよりも、若くて才能のある映画監督・素樹の年齢が28歳だったのが心憎いです。
この年齢の男性は仕事を持ち自立した女性に魅力を感じる頃なのです。何でもかんでも若けりゃいいって言いながら鼻の下を伸ばすのはオヤジなんです。Macron候補も今では39歳ですが、奥様と結婚した時は29歳だったと言います。確かに『眠れぬ真珠』の中にも「上り坂を行く男と下り坂を行く女がひょんなことからすれ違い恋に落ちた。でも私はこの先どんどんこの坂を下っていくだけ。彼はもっと高いところに上っていくのに。」とありましたが、胸に熱いものがこみ上げてきました。男性作家なのにこういう小説が書けるところに石田衣良の才能を感じますね。

 最後のところ、「咲世子のもとに素樹が戻るなんて考えられない」という書評もありましたが、私はアリだと思いました。先のことをあれこれ悲観的に考えるよりも、今を精一杯に生きることを二人は選んだのですね。
これって恋愛に限った話ではありません。人生何事もその時その時を懸命に生きることが肝心だと思います。
 私の大好きな言葉は「過去を謀らず、未来を慮らず」です。過去のことはもう書き変えることはできません。未来のことは思い煩っても予想したとおりにはなりません。だから「今を精一杯に生きる」ということ。後悔のないよう、今を必死に生きていきたいと思います。


by wp636 | 2017-04-25 02:38 | 書籍