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ある日のレッスンのこと。

数学の問題を解いてもらっていたのですが、スカイプの画面を通して見える生徒さんの表情が冴えない。
私が「答えに辿り着けないの?」と質問を投げかけると、「いくら計算しても正しい答えになりません。」との返事。
そこで「きちんと両辺を100倍した?手前の5にも100を掛けた?」と聞くと「アッ!」との叫び声。

どういう問題(関数、図形、はたまた方程式)を解いていて、上手くいかない時にはどこで間違えているのか、そこを察知できる能力が講師には必要だと思います。
あんまり素早く矯正してしまうと勉強にならないですし、あんまり時間を掛け過ぎては効率が悪すぎます。
しっかり考えさせて、引っ張り過ぎないタイミングでヒントを与えてあげる。餅つきの合いの手みたいな感じで。

なぜ間違いポイントを素早く察知して矯正できるかというと、自分もまた同じ道のりを歩んできたからです。自分もまた中学時代、同じように悩んだからです。頭を抱える生徒さんを見てもイライラすることは一切ないですね。むしろ「ああ、ここを教えてあげたらもっとよく理解できるかな」とか「このポイントを意識するように教えてあげよう」とか思いますね。

このレッスンのように「アッ」と気づくことがとても大切です。勉強する楽しみに繋がるきっかけになるのです。
毎回発見のある授業をたくさん受けていたら、「中2までに勉強が嫌いになる子が60%に達する」なんて記事も載らなくなるように思います。

# by wp636 | 2017-04-20 06:18 | レッスン

ミュンヒェン争奪戦

 ドイツの大都市には大抵日本人駐在員のご家族が住んでいます。
ドイツで3番目に大きい都市・ミュンヒェンともなれば、相当数の日本人の方が住んでいるのも容易に想像されます。
しかしなぜかこれまで大手進学塾や予備校が校舎を構えていませんでした。
さまざまな原因が考えられますが、日本人学校が街中から離れた場所に建っているということが指摘されてきました。
またデュッセルドルフのオーバーカッセル地区やメーアブッシュ地区、はたまたフランクフルトのハウゼン地区やプラウンハイム地区のように、日本人がまとまって住んでいる地区がミュンヒェンには少ないという点も、学習塾が校舎を構えるのに躊躇してきた理由として挙げられるでしょう。
昔からミュンヒェンに学習塾が開校するという噂は、持ち上がってはいつの間には立ち消えになっていました。

 そんな状況を変える事態が昨年起こりました。
デュッセルドルフに海外校舎を構える京進がミュンヒェンの中心街に校舎を開校しました。
市街の中心地に日本人のご家庭が集中的に住んでいるわけではないので、授業後にお見送りサービスをしているそうです。
以前、京進が日本でデュッセルドルフ校の専任講師を募集していた広告を見ましたが、給料が1800ユーロです。
これで授業後のお見送りサービスまで含まれているとしたら泣けてくるような待遇です。シビアな職ですね。

 さて、昨年はデュッセルドルフに駿台予備校が校舎を構えました。この時期に欧州に校舎を構える大きなメリットがあるのか?採算が取れるという確固たる根拠があるのか分かりませんが、久々に新規参入のニュースが飛び込んできてにわかに活気づいてきました。
その駿台は今年ミュンヒェンにも校舎を開校することが決まっています。ミュンヒェンには大きな市場があると思っていましたが、いよいよミュンヒェン争奪戦が本格化してきました。

 ミュンヒェンはバイエルン州の州都であり、観光名所を多数抱える素晴らしいところです。しかし忘れてはならないのが、ドイツでも屈指の有名大学の集まる街であるという点です。ミュンヒェン大学やミュンヒェン工科大学はいわゆるドイツのエリート大学に名を連ねています。ここに留学する日本人学生は優秀な人が多いので、これまではライバルが少なく家庭教師の生徒さんを探しやすかったと思います。そういった状況が大きく変わろうとしているように思います。

 今後ミュンヒェンの学習事情がどう変わっていくのか、目が離せません。

# by wp636 | 2017-04-19 05:08 | 閑話休題

お知らせ

昨日、ドイツ語体験レッスンを当方のホームページ経由でご連絡いただいた方へ。

ここでお名前が出せないため詳細は一切書きませんが、昨日いただいた体験レッスンの件でメールにて返信したものの、宛先が存在しないというエラーメッセージとともに返信されてしまいます。
もう一度ご自身のメールアドレスをご確認いただいて、情報を再送信していただけませんでしょうか。

お手数をお掛けいたしますが、よろしくお願いいたします。

# by wp636 | 2017-04-17 22:02 | レッスン

 以前、小学4~5年生と二年間に渡って国語の授業を担当した女子生徒さんがいました。
当時私は塾の専任講師をしていましたが、入塾の際お母様からもお子さんご本人からも「算数の方が好きだし得意!国語は苦手。だから国語の授業は好きではない。」とハッキリ言われていました。
 確かに国語は地味な教科で、算数に比べて自分の学力の向上をすぐに体感できない側面があります。
しかし漢字の書き取り、語彙の習得、文法の理解、文章読解力の向上を続けていくと、地味ではありますが容易には下がらない確実な力が身についていきます。この生徒さんにも粘り強く、事あるごとに褒めて指導を続けました。
 小学6年生に上がるタイミングでお父様の転勤に伴いアジア圏に引っ越してしまったのですが、幸い現地に大手学習塾が複数展開しており、その中から最大手の塾に通うことを決めて受験勉強を続けることになりました。
まずは一安心でしたが、その塾の校長先生と3者面談をした際のお話をメールでお母様が知らせてくださいました。
入塾に際して学力調査テストを行ったようで、その成績を踏まえての3者面談が行われたのでした。
そこでお母様、お子様ともに意外なことを言われたそうです。

塾長「まずは算数。こちらは基礎的な部分で欠けている知識があります。小学5年生までの勉強で重要な単元をいくつかしっかり復習しなければいけないと感じました。」
お母様方「えっ!娘も私も算数の方には自信があったのですが・・・。国語は昔から苦手でしたから。」
塾長「いいえ、国語はしっかりと学習してきましたね。すべての学習単元をバランスよく勉強してきたとすぐ分かる結果でした。向こうで塾に通われていたのですか?」

 受験が終わるまでサポートできなかったのは心残りでしたが、自分のやってきたことが間違っていなかったと客観的に知ることができて良かったです。結果的にこの女子生徒さんは第一希望の学校に合格して日本に帰国しました。
合格の喜びを伝えるメールをすぐに送ってもらえたのは嬉しかったですね。講師冥利に尽きます。

 他の塾などと比較されるのは厳しいことではありますが、自分を信じてレッスンしていれば、比較に動じる必要もありません。
むしろ「むこうのレッスン講師と比較されて厳しいな」と先方に言われるくらいでありたいものです。

# by wp636 | 2017-04-16 06:47 | レッスン

国語の読解力を上げる方法 その2

 前回はつなぎ言葉の種類とその役割をしっかりと理解して、読解に繋げていくというお話をしました。
今回は指示語を一つ一つ意識して文章を読み進めることを提案したいと思います。

 指示語とは、いわゆる「こそあど言葉」のことです。文章中に頻繁に登場する「それ」「こういった現象」「あのような出来事」などの言葉が一体何を指しているのか、軽く流さないで一つ一つそれが指し示す内容を捉えていく努力をしてほしいということです。
ここが単なる読書と国語の読解問題を解くことの違いだと思います。
 指示語を意識しながら文章を読む癖がつくと、自然に指示語が出てくると「はて、これは何を指していたかな」と考え、時に文章を遡って読み直すようになります。それにより文章をより深く読み込み、より深い理解に繋がるようになります。
これは受験対策という観点でも大変有用で、受験では指示語の理解を問う問題が必ず一つは出題されますから、点数アップにも直接つながります。

 お子さんと一緒に国語の文章問題を解く場合、問題になっていなくても「ここの『そのこと』ってなんのこと?」と質問してあげてください。そうすれば、あえて「この文章の意味分かった?」と質問する必要がなくなります。
子どもは素直であり、親に褒めてもらいたいと常に思っています。だから「これ分かった?」と尋ねれば100%「分かった」と答えます。仮に分かっていなくても「分かった」と答える生き物なのです。
だからこそ、指示語の意味するところを尋ねて、お子様が理解できているのか否かさり気なく確認してみてください。特に中学受験を目指す小学生、しかも受験勉強を始めたばかりの小学3・4年生に有効な方法だと思います。

# by wp636 | 2017-04-14 05:01 | 解法のコツ